Quyetさんのギター工房

社長のQuyetさんは、家業の弦楽器工房を12歳のころから手伝いはじめ、職人歴36年。市内には自身のギター工房を2つ所有しており、一つは低〜中価格帯向けのギター工房、もう一つは高価格帯のギター工房としています。低価格帯の工房ではできる限り効率化するため、高級機とは異なる工程また、機械化を進めています。
いずれもOEM専用の会社のため、自社ブランドは製作していません。

高級機工房の職人たちは、他の低価格仕様の工房からたたき上げられた熟練工がほぼすべての工程を手作業でこなしており、それぞれの職人歴は平均で10年を超えます。ある程度分業になっており、なかでも特に技術が必要なネックの仕込みは、工房一番の職人が手掛けます。
現在社長は、主に最終の品質チェックを一人でこなしており、多い時で月に100本近くのギターやウクレレの品質をチェックしています。ネック・ナット・サドルの最終調整も自身で行います。
(それでも一割以上は納得のいく商品にならず、廃棄することもあるという。)
ギターの設計、特にブレージングや素材についての研究に余念がなく、最近ではスキャロップドXブレイジングに加え、バックにもXブレージングを施した、トリプルXブレージングを開発。すでに海外にて好評価を獲得しているそうです。
ベトナム国内の納入はもとより、アメリカやヨーロッパなど海外への輸出、ベトナム国内の他のギター工場への木材供給もおこなっています。

低価格帯向け工房では、作業性を優先して、ある程度の品質は犠牲にしているといいます。各国の大手ギターメーカーは往々にして、安い材料を使い、安い人件費目当てで途上国に安いものを作らせるため(初心者向けギター用の販売戦略)、「ベトナムの技術レベルの評価が下がってしまう」と社長は嘆いています。

ハンドメイドでなければ、木材個々の特徴に合わせて作業することはできません。例えば、同じ種類の木材であってもそれは杢目も違えば、一つの木片の中で硬さもばらつきがある。社長は、「こういった木材の個性に気を配りながら手作業で作業をしないと良い品質のギターはできない」と、自身の製作技術に誇りを持っています。
そういう意味では、機械で外観上均一にできているようでも、音品質を考えるとハンドメイドのほうが個体による音品質のばらつきは少ないと言えるのではないでしょうか。

そのほか、塗装担当の職人さん(職人歴40年)、インレイの職人さん(職人歴30年)と、魂のこもった職人技で至高のギターを仕上げていきます。




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